2010-09-21 17:48:32| 分类: OO G-ROOMS | 标签: |举报 |字号大中小 订阅
水島
いよいよG-ROOMSも最終回。今回はぜひ劇場版を観てから読んでほしいね。
海老川
ちょうど公開時期ということで、劇場版のネタがいいなと思いまして。GN-XIVに擬態したELSが、ソレスタルビーイング号の内部に群がってくる様子を、カメラが捉えたシチュエーションにしました。前回の水島監督と鷲尾さんとの対談で、エフェクトやモニターの要素をてんこ盛りにして欲しいというリクエストをいただいたので(笑)、このあたりが落ち着きどころかなと。
水島
いかにも海老川君らしいチョイスだよね。
海老川
本当は最終回ということで、ガンダム系のクアンタにしようかとも思ったんですが(笑)。前回(第8回)のダブルオーライザーのほうが最終回っぽいですよね。本当はもうちょっとG-ROOMSが続くと思っていたので、ガンダム系はもっと後にしようと思っていたんです。
水島
たぶん、今後も描ける機会が来ると思うから、あまり最終回を意識した絵じゃなくていいんじゃないかな? それにしてもELS GN-Xかよ!っていう気はするなぁ(笑)。まぁエイリアン好きの海老川君らしいよね。
海老川
個人的にはGN-Xも描きたかったので、全部の要素を満たすのはこれかなと思いまして(笑)。実はELSのデザインもやってみたかったんですけど、たぶんエイリアンとかベタベタなデザインになっていたと思います。
水島
ELS自体は、SF考証も合わせて寺さん(寺岡賢司氏)だからね。まぁキミの場合、描きたいっていっても、担当した仕事が終わらなかっただろう(笑)。
海老川
ええ(笑)。でも、寺岡さんの描かれたELSはとても独創的な形状ですごいですよね。
水島
それは寺さんにお願いする以上、ある程度想定していた部分だからね。しかも?3Dだよ?っていったら、ちゃんと考えた形にしてくれる。もともとMS対MSという図式はガンダムでは必須の要素だから、ELSがMSに擬態することは外せなかった。じゃあMSに擬態するんだったら、どんな組成の生命体になるんだろうと考えたとき、同じ金属系だろうと。そこからなるべく生物的ではない、無機質でオブジェみたいなデザインが導き出されたんだ。
そんなオブジェみたいな存在が自らの意思で人型に変わるっていうことは、ELSが?相手を理解していますよ?っていう主張なんだ。それを明確にする意味でも、ELSがMSに擬態するっていうのは重要な要素になっている。でもよく見ると、ディテールが違ったりするんだよね(笑)。
海老川
ELS GN-Xは、中谷誠一さんのデザインなんですよね。
水島
そうだったね。GN-Xと変化をつけたいと提案があったんだ。擬態の度合いにもよるけど、大きく形状は変えられないので、抑えた方向性で変化をつけてもらって。
海老川
面白いですよね。完全に擬態していない部分は、細かいディテールが埋まっていたり、内側のディテールを模倣しきれなくて結晶体になっていたり。
水島
ほかにも全体的に丸くなっているよね。GN-XとELS GN-Xが戦うと判別しづらいと思ったけど、紫色の粒子を噴出しているから見分けがつくかな? 実は当初、全体をグレーにするっていう案もあったんだけど、あまりよくなくて、GN-XIVの色を結構残してもらったんだよね。だから動きが速いと判別するのが難しい。劇場へ観に行く人は、粒子の色で判別してくださいね。あとELSは音も発しているから、わかると思うな。
海老川
基本的に動きが早いんで、陣営分けは粒子色で見るのがおすすめです。
水島
GN-XとELS GN-Xがグルングルン回りながら戦うシーンもあるからね。これで予告のときに話題になった?紫の粒子?の理由がようやく公開できたね。
海老川
紫の粒子が敵の攻撃だっていうのは、なんとなく伝わっていたみたいですね。
海老川
最終回は自分のデザインしたMSじゃなくて、中谷さんがデザインした物を描くっていうのも面白いですよね。
水島
らしいよね。本当に集団作業だったし、ある意味、みんなでパスを回し続けるみたいな作り方だったなぁ。
海老川
だれがなにを担当する、っていうのも決まっているようで、決まっていなかったですしね。
水島
状況を見てシャッフルするとか、分担を決められたからね。そこは非常にやりやすいメンバーで、信頼感のある関係が築けたからできたことだと思うな。
海老川
GN-XIVも、アヘッド的なイメージがありますしね。基本的には人革連の科学者がアヘッドから左遷されてきて作っている……というイメージです。寺岡さん的には人革連出身の若手が作っていて、テラオカノフ技師は勇退しているらしいです。
水島
テラオカノフ技師って……そんなキャラクターは登場してないぞ(笑)。
海老川
プラモデルの解説書に登場していて、もう寺岡さんの愛称になっていますね。
水島
ノフ以外、日本人じゃないか!(笑)
海老川
(笑)。GN-XIV自体は、パトリック機とアンドレイ機が指揮官機という扱いで、ある程度、個人の好みで武装を換装できます。一般用は指定されたセットがあって、そこから選択するんですが、ちょっと変わったタイプもいるので注目して欲しいですね。基本的なセットは5種類なので、実はそれほど多くはないんです。
水島
1形態ごと、印象に残るようなアクションはさせているよね。
海老川
二丁バズーカは、あまり目出たせないようにと思っていたんですが、結構印象に残りました。絵コンテでも、?このGN-Xはこの装備?という指示が全部入っていますしね。
水島
そこはアクションアニメーターの寺岡巌さんに、絵コンテを描いてもらったところだからね。コンテであれだけ描き込まれていると、作画側は絶対手を抜けなくなる。絵コンテの段階でアクションの完成度が見えているから、そのレベルから落とさないように作るっていうプランが立てやすいんだ。
海老川
基本的にガンダムやブレイヴはスーパーメカでしたが、GN-XIVも地味に活躍してくれました。
水島
ブレイヴは予想以上に無双になっちゃったからね(笑)。でもELSのことを考えたら、あんなに強くてもアッという間に押されちゃうぐらいだから。まぁブレイヴにしろ、ガンダムにしろ、パイロットの機微みたいなものを、MSの強さや動きで表せたんじゃないかな。
水島
振り返ってみると、まぁ個性的なデザイナーがそろったよね。たとえば世界を含めてデザインするっていう意味では、寺岡さんと福地君にSF設定を踏まえた部分もお願いしたんだけど、海老川君はまた違う面白い個性をもっていた。ホビー好きっていう部分がデザインに活かされていて、なおかつわかりやすいからね。しかもそれがギミックとして活かされている。ダブルオークアンタなんて、まさしくそうだよね。
海老川
メカ打ち合わせだと、寺岡さんが議長という感じでしたね。
水島
メカのことになると仕切ってくれるんだよね(笑)。寺さんは、それぞれのデザイナーの特色みたいな部分をわかっていてくれているから。土台のコンセプトは僕がこういう感じって伝えて、ガンダムに関しては黒田(洋介)君がアクションのモチーフになるようなギミックやアイディアを押さえて……。あとは物語上で必要になるものを、デザイナーの個性を加味してみんなで考えていく。寺さんは学級委員長みたいに、その割り振りとかやってくれたよね。そして一番、言うことを聞いてくれない(笑)。
海老川
唯我独尊ですね(笑)。
水島
「こんなの描いちゃった」ってパターンも結構あったなぁ。ティエレンは、その最たるもの(笑)。まぁ寺さんとは、本当に古い付き合いだから、それはお互い理解しあっているんだけどね。逆に福地君だと、彼の中にかっちりとした世界があるので、そこから何かを引きだしたり、共通のものを見出したりするために、打ち合わせを重ねていくという感じだったかな。寺さんと同じで、すごくいいアイディアをもっているので、それをどのように捕らえるのかというのが重要だったと思う。若手はもう基本的に力技(笑)。柳瀬君は真面目だったしね。
海老川
さしずめ僕は『00』メカデザイナー陣の良心といったところでしょうか?
水島
それはキミの希望じゃないか(笑)。デザイナーに良心なんてなくていいよ。デザイナーはジャンプしてこそデザイナーだからね。
鷲尾君はもう、鷲尾ワールド。こっちが意図している方向にまったく行かなくて、伝わり方が面白かった。(笑)。間違いなく天然です。あとはネーナ好き過ぎるぐらいかな。
海老川
(笑)。
水島
まぁみんなデザイナーとして相当気を吐いたよね。
海老川
本当にやれてよかったです。
水島
『00』はベースの時点でラッキーだった部分もすごくあるんだけど、みんなの結束力が立体物やイベントに結びついて、世の中にいろんなものを見せられた。G-ROOMSとか『00N』(電撃ホビーマガジン)みたいなメインスタッフがこれだけ参加する連動企画もはじめてでしょう? それにバンダイも僕らも楽しんで出来たこともの大きかったな。
海老川
ガンプラは切っても切れないコンテンツですよね。
水島
確固たるジャンルを築いているガンプラの中で、まだまだ新しいことをやろうという意識が高いからね。そこが現場とマッチングしたのが幸せだった。そのあたりは、僕ら外様のチームが持ち込んで、一番プラスになった要素なんじゃないかな。
特にバンダイで一番キーマンになってくれたホビー事業部の馬場(俊明)君が、『SEED』のときに設定制作としてサンライズに出向していて、どういう会社かを理解したうえで、僕ら新しいチームとつきあってくれたのは大きかった。
海老川
最初にエクシアのプラモが届いたときなんて、うれしいなんてもんじゃなかったです。あれはパッケージも描かせてもらいましたし。
水島
キミはチームの中でも一番模型に対して愛があるし、自分のデザインしたものが形になっていくのは本当にうれしいだろうね。でもこんなにラインナップが増えるとは思わなかった。押入れにもう入らない(笑)。
海老川
立体物でいうとROBOT魂もよかったです。
水島
ちょうどセカンドシーズンを期に、コレクターズ事業部の立体物がMS IN ACTIONからROBOT魂に変わったこともすごくラッキーだった。そのタイミングで、いい機会だからってコレクターズ事業部ともガッチリ組ませてもらったんだよね。
海老川
ROBOT魂シリーズの第一弾が『00』ですからね。今度発売されるクアンタも、すごく完成度が高いんですよ。
水島
さかのぼってファーストシーズンのMSも、ROBOT魂で出して欲しいな。まずはティエレンで。いつかきっと『ダイガード』も作ってくれると信じている!
海老川
アピールしておくべきですね(笑)。
海老川
異端な回が1回ありましたね(笑)。
水島
なに、それを言いたいの?(笑)
海老川
実は鷲尾さんのあとは、すごく緊張するんですよ。「なんだ、海老川、普通だな」って言われそうで……(笑)。鷲尾さんはあのネーナのイラストで「メインはスローネ艦です!」っておっしゃっていましたからね。やりきってしまうのは本当にすごいです。
水島
好きであそこまで行けてしまうのはすごいね(笑)。
海老川
前回(第8回)も、西井正典さんと中谷さんとかっこいい絵が続いた後だったので、とても緊張しました。
水島
まぁ振り返ってみると、最後の2回が異色になったよね(笑)。でもデザイナーのジャンルとしては正しいんだろうな。鷲尾君は女の子とおしりと胸だし、海老川君はメカとゾンビとエイリアンだからね。
海老川
今回、『i -wish you were here-』のときも、こういう絵を描いていたなぁって思い出しました。あと『鋼の錬金術師』の化石病もこんな感じでしたよね。
水島
なつかしいね。君と僕はそういうところで結ばれているのかな(笑)。今回の絵はなんか見たことあると思ったら、こういう構図やってたなぁ。
海老川
デザイナーが協力したといえば、劇場版のタイトルバックの絵も、デザイナーがそれぞれ描いたものですよね。あの絵もどこかで掲載してもらえるとうれしいです。
水島
タイトルバックの絵は、実はELSに関連しているからね。謎めいたイメージと、何かが起こっていくという雰囲気を醸し出している。
海老川
デザイナーが一人10枚ずつぐらい描いて、実はすごく手間がかかっているんです(笑)。劇中でも、刹那のフラッシュバックのシーンとかで使われていますよね。
水島
そうそう。みんなが描いてくれた絵の中からきれいなカットを12枚選んで、タイトルバックにしているんだよね。そういう部分も含めて内容は盛りだくさんなので、ぜひ見ていただきたいですね。
水島
さて、12回続いたG-ROOMSも、ちょうどアニメ制作の終了というタイミングで一端終了となりました。デザイナーとは一緒にご飯を食べに行くことはあるけど、こういう対談形式で話す機会はなかったので面白かったな。1枚の絵を題材にドラマを感じさせてくれる企画っていうのは、ガンダムの世界ならではだよね。こういう企画は今後とも継続して欲しいですね。
海老川
監督と対談しつつ、自由な題材で絵を描くっていう企画は、本当に貴重です。こんな企画ができるのもガンダムという、コンテンツの強さかなって思いますね。完全に終わりじゃなくて、またどこかでG-ROOMSのような企画に携れたらと思います。実はまだまだネタはあるんで、何らかの形で発表できれば嬉しいですね。
水島 またどこかでお会いしましょう!
海老川 またどこかでお会いしましょう!
文/河合宏之?写真/ドクトルF
评论